建設業許可は、2025年現在、29業種あります。その中の7業種は「指定建設業」に指定されており、他の22業種とは少し違う取り扱いがされることになります。今回は、指定建設業について解説します。
指定建設業7業種
業種名 | 内容 | |
---|---|---|
1 | 土木一式工事 | 道路、橋梁、ダムなど、総合的な土木工事 |
2 | 建築一式工事 | 建物の新築・改築・増築など、建築全般を含む工事 |
3 | 管工事 | 給排水、空調、ガスなどの配管設備工事 |
4 | 電気工事 | 電力設備、照明、通信などの電気設備工事 |
5 | 造園工事 | 公園や庭園の設計・施工、緑化工事 |
6 | 鋼構造物工事 | 鉄骨建築や橋梁など、鋼材を使った構造物の工事 |
7 | 舗装工事 | 道路や駐車場などのアスファルト・コンクリート舗装工事 |
これらの7業種は、特に専門性が高く、社会的影響の大きい工事ということで、許可取得の際に他の22の業種とは異なる取り扱いを受けることになり、他の22業種よりも厳格な基準が設けられていることがあります。
指定建設業7業種の監理技術者になるには実務経験だけでは足りない
指定建設業7業種では、監理技術者となるためには一級の国家資格や技術士の資格者、国土交通大臣が認定した者であることが必要です。言いかえると、指定建設業7業種の監理技術者になるには実務経験だけではなることができない、ということです。
現場に配置できる技術者がいない!?
許可申請の際の営業所技術者等は、実務経験のみでなることができるケースも少なくありません。会社が成長し、大きな規模の工事を受注できるようになってきたタイミングで、現場に監理技術者を配置しなければならない規模の工事である場合、指定建設業の7業種だと、監理技術者となれる技術者が社内に居ない、ということが起きてしまうかもしれません。そうなると、この工事を受注し施工してしまうと配置技術者違反となりますから建設業法違反となります。
特定建設業を取得するタイミングで手をうっておく
通常は、監理技術者を配置する必要がある工事を請け負うようになる前に特定建設業許可の取得を検討することになります。特定建設業許可の取得を検討する際に、その業種が指定建設業の7業種に該当している場合は、一級技術者を2人以上確保しておく必要性が非常に高いといえます。技術士の資格者や国土交通大臣が認定した者でもOKですが、人数的にはかなり限られているのが現状なので、一級技術者、という観点で探すのが合理的です。
別の記事でも解説したことがありますが、どの許可業種を取ればいいかで迷ったとき、(迷っても構わない余地がある場合)、この指定建設業7つの中から選んでおく、ということもご検討いただくと良いかと思います。
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他の22業種と比較して、少し許可取得のハードルが高いので、取得が可能なタイミングで取っておかないと後々の業種追加では取得しにくい状況になることがあります。
指定建設業7業種の注意点をご存知ですか?
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