これから経営事項審査を受けたい
経営事項審査の点数を改善したい

経営事項審査の手続きや公共工事の入札でお困りでしょうか。
建設業の手続きに詳しい行政書士が、御社を徹底サポートいたします。

経営事項審査徹底解説

経営事項審査は「ケイシン」と呼ばれ、建設業者さまにとってはよく耳にするフレーズではないでしょうか。

建設業界はかなりパターン化している面がある一方で、分類が多岐に渡るため、様々なことを混同して記憶されておられる例を何度も目にしてきました。ここでは、よく耳にするけど詳しいことは意外と知らない経営事項審査について徹底解説します。

建設業許可は、昔よく建設業許可業者の営業所に掲示されていた業者票の見た目から「金看板」と言ったりします。

今でも「金看板取りたいんだけど」と表現される事業者さまも珍しくありません。許可を取得できると「金看板の次はケイシンでしょ」と仰られることがあります。

ある意味では王道とも言えますが、実は建設業許可業者の全てが経営事項審査(ケイシン)を受審しなくてはならないわけではありません。

経審を受けなければならない建設業者とは?

では、経審を受審しなければならない建設業者とは、どのような建設業者でしょうか?

これは公共工事入札に参加したい建設業者、というのが答えになります。公共工事の原資は皆様の税金です。限られた予算を有効に適正に使用し、地元の経済を活性化し、納税額を増やしていきたいと役所は考えます。

そのためには、公共工事入札に参加する事業者にはきちんとした事業実態があるか、発注した工事を施工する能力があるか、地元に根差した事業者か、というような視点で見ることになります。

それらいくつもの評価ポイントの一つが経営事項審査(ケイシン)です。評価ポイントの一つと表現しましたが、建設業界内ではほぼ唯一絶対に近い客観的な指標になっています。

経審の建設業界内の位置づけ

経審は、毎年の決算書の内容を元に、財務体質、工事実績、技術者数、社会性など多くの指標で数値化し、評定されます。

この総合評定値(P点)がいわゆる「経審の点数」となります。経審の結果通知書を見るといろんな点数があちこちに記載されていますが、「経審何点?」と聞かれたら、このP点の数値のことです。

経審は、公共工事入札に参加したい建設業者が受審しなければならないもの、と先ほどお伝えしましたが、多角的な指標で客観的に評価されるため、ある種の建設業界における通知表(通信簿)のような役割も果たしています。

全ての経審の結果通知は公開されるため、経審受審業者であればどの業者の情報も調べることができます。

正確な数値まではわからないものもありますが、売上高や完成工事高、技術者数などはかなり正確に調べることができます。経審を受けている(切らさずに受け続けている)と、新規取引先でも事前にある程度どのような会社が調べることができます。

公共工事は全くやらないけれども、自社の状況を公開しておくことで、「当社はこういう会社ですよ」と周知することができますし、自社の経営状況を公開できる会社というアピールにもなります。公共工事入札に参加しない場合、経審は必須ではありませんが、事業をこれから大きくしていこう、下請工事でも積極的に受注していこうとお考えの建設業者さまはまず経審を受けておく、というアプローチもご検討いただくとよいかもしれません。

経審で最も重要な有効期限とは

経審を受審し、交付される「経営規模等評価結果通知書総合評定値通知書」(いわゆる「結果通知書」)には、有効期限があります。決算日(審査基準日)から1年7ヶ月が有効期限となっていて、「結果通知書」の発行日ではありません。

決算日は建設業者ごとに当然違いますので、それぞれ別の有効期限となります。

入札参加資格の必要書類になっていますが、「○月○日以前決算の事業者は本年度発行の結果通知書、○月○日以降決算の事業者はその時点で有効な最新の結果通知書」という指定のされ方をするのが一般的です。

入札参加資格審査の時期と、自社の決算期の時期と、経審の状況次第ではかなりタイトなスケジュールになってしまうことがあります。

いつも経審を受けているのは1月頃(2月結果通知書受領)だけど、入札参加資格審査申請の都合で1月半ばには今年度の経審結果通知を受け取って行かなくてはならない、というケースです。

入札のスケジュールも変わることがありますし、全体的な傾向では早期化傾向がありますので、今年から早く経審を処理しなければならなくなった、という例もあるのではないでしょうか。

この経審の有効期限は期限が切れてしまうと、公共工事の入札を落札していたとしても契約ができなくなります。

落札したのに契約できない、というのは非常に重い事態となり、その落札していた入札案件だけでなく、指名停止に発展してしまいます。

一旦、指名停止処分となってしまうと一定期間入札に参加できないだけでなく、一定期間経過後も落札できないことを覚悟しなければなりません。

経審の手続きは何からやればいいか

このページをご訪問いただいているということは、経審を受けようと検討しているか、これまで何となく受けてきているが、専門家に一度きちんと見てもらいたい、というご要望をお持ちの建設業者さまかなと思います。

まず、我々行政書士にご依頼を頂く際には、直近3年分の建設業決算変更届をご用意いただければと思います。経営事項審査は、直近3年分の完成工事高や業種別(「建築一式工事業」や「とび土工工事業」などの業種別)完成工事高と、直前決算時の会社の状況(技術者数や財務状況、社会性など)で評定されるのが基本です。

一度ご依頼をいただいた後は、初回にご用意いただいたこれらの資料と情報がありますので、その年の決算状況、工事の実績、会社の状況などがあればOKです。

経審には、直前2年の平均か直前3年の平均かを建設業者側に有利な方を選んで良いので、3年分の資料をお願いすることになります。建設業は、社会情勢による影響を大きく受ける産業のため、単年の著しい上下動を平準化する仕組みになっており、「激変緩和措置」と呼ばれています。急激に売上が上がっても下がっても、ダイレクトに点数(P点)に反映しにくいようになっています。

別の事務所から乗り換えられてご依頼を頂く際も初回は3年分の資料のご用意をいただきます。

ご依頼の際はまず検証するところから

経審の手続きは、複雑になりがちなので、前の関与先行政書士の先生がやっておられた内容が本当にその建設業者にとってベターか、を検証する機会にもなります。たいてい、ほとんど同じ作業となるのですが、稀に工夫できる箇所が見つかることもあります。

場合によっては、過去の建設業決算変更届を訂正して提出しなおすケースも少なくありません。

特に工事経歴に記載する請負工事の業種判断は杓子定規的に判断できないものが多く、知識や経験がものをいいます。言い換えると自社にとって点数を上げられる余地が潜んでいる可能性が高いポイントといえます。

次の更新まで何年かあるから前回の更新時から毎年の決算期ごとに建設業決算変更届は出してないよ、という事業者さまが稀にいらっしゃいますが、経審を受審されるのでしたら少なくとも今後は毎年、所定の期間までに建設業決算変更届と経審を申請していただくことになります。

一度受審し始めた経審の有効期限を切らしてしまうと、業界内での信用は大きく傷ついてしまいかねません。元請にとっては、「いつ発注してはいけない状態になるか分からない業者」という見方をされてしまうかもしれません。

工事契約書や注文書の重要性

次に決算期ごとの工事契約書や注文書・請書セットなど、工事経歴に記載する内容の確認がとれる資料をご用意いただきます。

建設工事の業種判断は一筋縄ではいきません。契約書にはA工事業と推測される文言で記載されていたとしても内容を詳しく見るとB工事業だった、という例はいくらでもあります。

この点は自社がもっている許可業種と関連しますので、気が付かないうちに無許可業種の工事を請け負っていた、ということがおきる可能性がありますので常に注意をしておいてください。違う見方をすれば、過去の工事があまり得意ではないX工事業だと判断していたが、内容を精査すると将来的に伸ばしていきたいと考えていたY工事業だった、という可能性があるとも言えます。

経審の初回ヒアリングの際に私はよくお聞きするのですが、「重視したい(伸ばしていきたい、入札を取っていきたい)業種はどれですか?」というお尋ねに対する回答によっては、過去の工事経歴の見直しも行うことがあります。その分の費用は頂戴することになりますが、とても重要な作業と言えます。

重要度を増しつづけている技術者の数

決算書と工事実績の確認が経審における大きな柱の二つです。もう一つの大きな柱と言えるのが、技術者の数です。

許可に欠かせない専任技術者を含め、どの資格をもっている人が何人いるか、という点です。もちろん資格の等級が上位のものの方が評点は上がることになります。

二級より一級、一級よりも一級施工管理技士、といった具合です。昨今の建設業界では後継者不足、若年者不足と言われて久しく、働き盛りの技術者は各社奪い合いになっています。

土木や建築の一級施工管理技士のように一つで何種類もの業種の資格者に該当する場合は、技術者1人につき、2業種まで技術者としてカウントすることができます。

それ以外にも各種保険の加入状況や保有機械、ISO取得状況などに関する資料が必要になります。

経審の手続きで煩雑なのは、毎年、各書類の有効期限をチェックし、有効かつ最新のものを用意しなくてはいけない面があるからかもしれません。建退共なら継続や更新している必要がありますし、保有機械は特定自主点検を行い、記録をつけている必要があります。

監理技術者証なども有効期限があり、期限が切れていると加点項目になりません。

経審の手続きはこう進んでいく

経審の手続きは決算が終了し、申告が終了してからスタートします。

もちろん、継続的に取引している関与先ですと、決算終了前から着手(というよりも継続的な取組ですが)が重要になりますが、ここでは、経審のご依頼を初めていただいた建設業者さまの場合を例にとってご紹介します。

確定した決算の財務諸表と減価償却に関するページ、役員報酬に関するページなどを抜粋し、コピーをお預かりします。

ミニマムだとこれ位ですが、初めて取引する関与先さまですと、決算書から読み取れる情報も多いた

め、決算書一式のコピーをお預かりすることも少なくありません。併せて、決算期中に請け負った工事経歴について教えていただきます。この工事経歴に記載する順番が決められていて、その記載順に従って記載した後、記載順上位10件ほどの工事について、裏付け書類として契約書や注文書・請書のセットなどのコピーをご用意していただくことになります。

単純に請負金額順とはならないので、意外な工事の契約書等のご用意をお願いするケースもあります。

契約書を交わしていない場合は、注文書・注文請書のセットのように、発注者と受注者の意思が確認できる組み合わせの書類が必要になると憶えておいてください。

建設業法の業種判断はとても難しいもの

この契約書や注文書の内容は経営事項審査でとても重要になってきますので、何となく調印してしまっているという方は要注意です。

建設業の業種判断は非常に難解です。契約書に「○○新築工事」とだけ記載があっても実際にその工事がどの業種の工事か確定しません。

建築一式工事となりそうではありますが、特に民民の契約の場合、契約書等にどんな内容の工事のことを「○○新築工事」と書くかは、発注者と受注者の間で全く自由に決めることができます。

○○を新築する際に配管に関する部分を発注する際に「○○新築工事」と記載するケースだって十分にあり得ます。もし、貴社が「管工事業」しか持っていないとすれば、工事経歴書に「○○新築工事」と記載があり、裏付けの契約書にも「工事名:○○新築工事」としか書かれていなければ、建築一式工事を業法に違反して請け負ったのか?という見方ができてしまいます。

工事の詳細がわかる別紙などが保管されており、そちらできちんと内容を明らかにできるのであれば問題を解決できますが、何となく調印してしまっているような事業者さまですと、こういった書類をきちんと残しておられるか、大変不安です。

発注者(役所側)の判断をうのみにしてはいけない

また、公共工事の発注であっても契約書の記載内容と実際の工事内容(業種判断)が必ずしも一致しないケースがあることにも注意が必要です。

役所が「A工事業」で入札に出しており、参加条件にも「A工事業許可業者」という指定をしていても、イコール100%「A工事業」に該当するか、というとそうは言えません。あくまでもその役所内の担当部署内の判断で「A工事業」と判断しているにすぎません。

この入札案件に参加するためにはもちろん「A工事業許可業者」であることは必須なのですが、そのことと建設業法における業種判断はイコールではないのです。

以前、そういう懸念点があった工事について某地方整備局に問合せをしたことがあるのですが、「契約締結や工事着工までの間に打ち合わせを何度かされるかと思いますので、その際に先方(役所や発注者)に是正をお願いしてください」という回答で驚きました。

おそらく請負側からの「この工事業はA工事業ではなくX工事業に該当すると思われますので、契約内容を見直してください」という依頼を素直に承諾してくれることはほとんどあり得ないと思います。

発注者側には発注者側の考慮事項があって「A工事業」という指定をしていますし、発注者側の視点で見ると「A工事業」に該当する、と判断することも十分あり得るからです。

なんとなく、は危険

古い商慣習が根強く残っている業界ではあるのですが、許可業者になり、経審業者になって入札に参加していこうという意識をお持ちの建設業者さまはこのあたりの建設業法への理解や意識はとても重要な意味を持ちます。

許可制度や経審、入札制度への意識も持っておくことが求められます。「なんとなく」で許可が飛んでしまったり指名停止となってしまっては元も子もありません。

決算書と工事経歴書、この2点が経審における最重要書類ですが、経審では毎年これ以外にも多くの書類をご用意いただかなくてはなりません。

点数に影響しないものの、消費税の納税証明書(の写し)は実はとても重要なものだったりします。

他にも標準報酬決定通知書、労働保険関係書類、上乗せ労災、防災協定、ISO、各技術者の資格者証や合格証のコピーなど、多岐にわたります。これらの書類で自社の財務状況や完成工事高、技術者数や社会性などの評価を受けることになります。

継続的な関与先様ですと、決算書と工事経歴書は毎年の決算分のみのお預かりとなります。新規の関与先様の場合ですと、直近3期分の決算書と工事経歴書をご用意いただくことになります。

新規の場合でもこの2点以外の書類は直近決算日時点のもののみのご用意で問題ありません。

P点が事前にわかる!?シミュレーションとは

ご用意いただいた資料を基に、申請データの作成に入り、総合評定値(P点)のシミュレーションを行います。

このシミュレーションで自社がおよそ何点になるかを予想することができます。入札ランクを重視している会社さまですと、このシミュレーションはとても重要な意味を持つことになります。

経審は継続的な取組が何より効果がありますので、可能であれば決算確定前から(試算表などで)シミュレーションを行えていると理想的と言えるでしょう。ただ、現実的にはそこまで取り組めている建設業者さまはほんの一握りです。

財務上の数字だけでなく、請け負った工事の業種や金額、元請/下請の別、各種保険の加入状況によっても点数が変動します。注意が必要なのは、売上高があがっていても保険の加入状況などの社会性の部分で点数が大きく下がる可能性があることです。

あまり必要でないからと思って解約してしまうと入札ランクがさがってしまうこともあり得ます。

決算期前にはまだ請け負った工事の内容を全て把握できていないことがあります。

その場合は、昨年度の実績をもとにひとまず仮の数値でシミュレーションを行うことになります。ここでも建設業の業種判断が大きな意味をもつことになります。

工事請負契約書や注文書・注文請書の記載内容から判断していくことになりますが、どちらとも取れる(A工事業ともB工事業ともとれる)ものは少なくありません。

P点を大きく左右する技術者数

決算書と工事経歴の内容以外の部分で、大きなウェイトを占めているのが技術者の数です。

二級より一級、一級でも監理技術者証を持っていればさらに加点されます。打ち上げ高の規模が大きくなってくるとP点が大きく変わるほど売上を上げるのはかなり大変です。

場合によっては、資格を取得することの方が効果的である場合もあります。経審で加点になる資格は、それぞれの業種の専任技術者になれる資格でもありますから、資格の取得は自社の許可業種、自社の事業の幅を拡げることに直結すると言えます。

実務経験で許可を取られている場合は二級を、二級をお持ちの方は一級を、一級をお持ちの方は監理技術者証を取得できるようチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

ここでいう技術者は雇用した場合でも加点要素となりますが、審査基準日(決算日)時点で雇用してから6ヶ月と1日以上の在籍をしていることが必要です。「審査基準日以前に6ヶ月を超える恒常的雇用関係がある者」が加点される対象となります。

審査基準日時点で在籍さえしていればいいのでは?とお考えになられたかもしれませんが、これだと決算日の違う会社で決算日(審査基準日)だけ在籍してすぐまた違う決算日の会社に籍を移して、というのを繰り返し、理論上はたった1人の技術者で365社の加点に貢献できてしまいます。

以前は「6ヶ月と1日以上」ではなく「6ヶ月以上」であったため、1年で2社に所属し、加点を取っていたという事例があったため、対策を講じられたという話を耳にしました。

時代とともに変化していく評価方法

経審の総合評定値(P点)の算出方法は公開されていますが、その内容は少しずつ変化してきています。

少しでも自社に有利になるよう制度の範囲内でどの会社も工夫をこらします。多くの会社がそうした対応をしてくるようになると、本来の配点基準が制度趣旨に合わなくなってきたりします。制度をハックするような(もちろん法に触れない範囲であることは大前提です)ことは好ましくないとなれば、算出方法や配点が調整されるのです。

こうしたことが積み重なってきた結果、現状の経審制度が成り立っていて、あまり工夫のしようがなくなってきているのも事実です。

そう遠くないところでは、建設機械や防災協定のところの配点が調整されたり、加点されるための要件が付け加えられたりしています。

建退共の加点要件の見直しも予定されています(2021年8月現在)。

これまでは加点されていたが、改正によって加点されなくなる場合がありますので注意が必要です。

実際の手続きの流れや所要日数

決算書や工事経歴、各種必要書類を揃え、シミュレーションの数値が出たら実際の手続きに入っていきます(事例により順番が前後するケースはもちろんあります)。決算書の数字が確定したら経営状況分析申請を行います。

申請先は各登録経営状況分析機関(以下、「分析機関」)に対して行います。

有名なところでは一般財団法人建設業情報管理センター(略称CIIC)や、ワイズ公共データシステム株式会社などがあり、全国で10機関あります(2021年8月時点)。どの分析機関に分析を依頼しても構いません。

ただし、料金や所定の日数には差異がありますので、自社に一番合った分析機関を選びましょう。

行政書士に経審を依頼している場合は、行政書士が分析機関を選んで分析申請を代行してくれます。

分析までは自社で行う、という建設業者様もそれほど多くはありませんがいらっしゃいますので、やりやすい方をお選びいただければよいかと思います。こ

の分析申請が終わると、分析機関から「経営状況分析結果通知書」が送付されてきます。

この書類も経審の必要書類になっていますので、経審の申請までには分析を終え、経営状況分析結果通知書を受け取っておくことが必要です。

分析申請には、各分析機関それぞれに独自の価格設定と日数が設定されています。

早いプランだと料金は上がりますし、急がないプランだと少し安い料金になります。

ただ、どこの分析機関も、より早くより安くと激しい競争をしていますので、所定の日数よりも早く分析を終えてくれることが多い印象です。早ければ分析申請をしたその日のうちに分析結果通知書が交付されることもあります。所要日数(1日~7日)

分析結果通知を受け取り、そのほかの経審必要書類の準備が整っていれば、経審の申請に移ります。

都道府県知事許可の場合は知事宛に、国土交通大臣許可の場合は管轄の地方整備局宛に行いますが、どちらも都道府県が窓口になっていますので、主たる営業所がある都道府県の窓口(県庁や土木事務所など)に書類を持参します。

経審の申請は要予約!混む時期に注意

経審の申請には役所側も相応の準備が必要で、当日の飛び込み申請はほとんどなく、事前の予約が必要になります。

注意しないといけないのは、この経審の予約が思ったように取れないことがあります。

経審の有効期限、建設業者の決算日、長期休暇との関連などもあり、予約が集中しやすい時期があります。GW前、7月下旬からお盆前、年末や3月の年度末などが混みやすい印象があります。

特に年末から3月末までの期間は入札参加資格審査との関連でさらに混みやすくなります。

大阪府の場合、最短で1週間以上先の日程しか予約枠が空いていないということも珍しくありません。

自社の決算日から決算変更届提出期限でもある4ヶ月後の日程を先に押さえておく場合は、それまでに各種書類を全て集めておくことになります。

決算日から2ヶ月後以降でないとほとんどの場合で決算内容が確定しないのでそこから各種書類を集め、経審の申請準備をして…となると書類収集にかけられる時間は1ヶ月もないかもしれません。

これが、毎年のことなのに毎回経審でバタバタしてしまい、十分な対策が取れない大きな要因になっていると思われます。

どこの建設業者さまも「来年の経審こそはキチンと準備して…」という気持ちをお持ちです。とはいえ、現場を疎かにすることはできませんし、純粋な書類作業にそこまで時間を確保しにくいのが正直なところではないでしょうか。所要日数2~10日

窓口で経審の申請をし、不備などがなければ受付→審査へと進んでいきます。

窓口の申請時点や、受付後の部内の審査で不足書類や不備などがあると補正の指示がでます。業種の判断などは判断が難しいこともあって、不足や不備ではないにしても追加の書類を求められることもあります。

行政庁の審査にかかる日数は決められていて、大阪府の場合は、「申請書を受理し、補正が解消された日から土日・祝日を含む 22 日程度で発送する」こととなっています。

補正を解消しなければ審査は進みませんので、補正を速やかに解消することが重要になってきます。所要日数1~7日

経審の手続きはただでさえバタバタとしてしまいがちですが、自治体の入札参加資格審査申請とからむと本当に1日を争うことが珍しくありません。

継続して受審されている事業者さまはともかく、新規で経審を受審されたいと希望される事業者さまの場合、元請や取引先の事情などで急遽受審することにされるケースが珍しくありません。

急遽受審されることになると、押さえておけるポイントが限られますので点数が低めに出る場合が多い印象があります。

経審の難しさ

これまで、経審の仕組みについて解説してきました。建設業者さまにとってはとても重要なものではあるものの、1年に1回のことで、複雑すぎて何度やっても憶えきれない、ということになっていないでしょうか?

社内で対応されている建設業者さまは、特定の担当者をつけて対応されているケースが多いのですが、もしその方が退職される、となるとどうでしょうか。

複雑で汎用性がないため、「特定の担当者の方が全てを把握している」状態になっていませんか?

言い換えると「特定の担当者の方以外は誰も何も知らない」状態になっていないでしょうか?

私はこの状態はやむを得ないと思っています。経審はあくまでエントリーする制度でしかない面があり、記録(売上)を伸ばすものではないからです。

もちろん、入札を通じて記録(売上)を伸ばすことにはつながるのですが、入札を取っていくための営業努力とは全く努力の方向性が異なっています。

ただでさえ複雑な制度なのに加えて、改正も頻繁に行われます。特定の担当者が1~2カ月ほどつきっきりで対応することになるのは珍しくありません。もしその担当者が退職するようなことが起きてしまうと…。

経審は入札のため

これだけ複雑で時間もかかり面倒な経審ですが、受審しただけではそれほど意味がありません。

経審を受けるのは入札に参加するためで、入札に参加するには経審の結果通知書が必要です。経審の結果通知書には有効期限がありますから、入札の参加申請(入札参加資格審査申請)時はもちろんですが、参加している期間(2年~3年の自治体が多い)中、ずっと期限切れとならないように受け続けておくことが求められます。

役所が発注したい時に有効期限が切れていると、すぐ受審しなおせばいいというものではありません。

発注側(役所)の立場からすると期限を切らしてしまう業者よりもきちんと期限を管理して切らさないようにしている業者に発注したい、と考えるのは当然のことです。

入札という仕組みのなかでは技術力や施工金額の前に期限管理がきちんとできるか、という前提があるとお考え下さい。最悪の場合、入札に参加できなくなる指名停止などの処分にもなりかねませんので十分にご注意ください。

入札も経審も継続的な取組みが重要

入札も経審もどちらも1回だけ、1年だけ受けてもあまり意味はありません。

入札に関しては、1年目はエントリーしていても呼ばれない自治体があるほどです。

1年目から大きな案件を落札できるようなことはほとんどありませんので、小さな案件から少しずつ実績を積んでいきながら、経審の点数改善の取組みをしていくことがよいでしょう。

また、既に経審を受審しつづけている建設業者さまでも、つい毎年バタバタしてしまって思うように取組めていない、とお感じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのようなお悩みをお持ちでしたらぜひ一度当事務所にご相談ください。

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