建設業許可には、一般建設業と特定建設業の2種類があります(知事許可・大臣許可については別の機会で解説予定)。
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複数の営業所があっても大臣許可がいらない場合があります
特定建設業は下請に発注する工事金額が一定以上になると必要とされる許可で、元請向けの許可という性格があります。まずは一般建設業の許可を取得し、コツコツと工事実績を積み重ね、特定建設業にステップアップしたい、とお考えになる建設業者さまは非常に多いです。
特定許可の要否は下請に発注する金額が影響する
よくある誤解としては、工事の請負金額が大きくなってくると特定建設業が必要になる、というものがあります。
間違い、というわけでもないのですが、 特定建設業の要・不要は、請負金額ではなく、下請けへの発注総額 です。言いかえるとどれだけ規模の大きな工事であっても下請けに発注せず全て自社で施工する場合は、一般建設業で差し支えありません。
特定建設業が必要になる工事だと、全体の受注金額が大きいことに加え、下請けにも大きな金額を発注することになりますから、一般建設業許可で対応できる工事よりも、重大な責任を担うことになります。このことは、特定建設業の許可要件などを見ても読み取ることができます。
特定建設業
- 大きな工事を請け負える
- 元請比率が高い会社向け
- 責任は重大
- 技術者の要件は厳しい
一般建設業
- 制限付きではあるものの、大きな工事を請け負うことも可能
- 責任は特定に比べると小さめ
- 技術者の要件は特定ほどではない
会社が大きくなってくると、大臣許可・特定許可へ移行する動機が増える
建設業は、事業規模が大きくなってくると、発注者が増え、それに伴って発注者の所在地が拡大していきます。そうすると、大臣許可に切り替える必要性が同時に高まることになります。
技術者の確保が年々、難しくなっている
各都道府県に設置する営業所にも建設業許可の種類(一般・特定)に応じた技術者を置くことになります。ここで問題になってくるのが、全国に点在する全ての営業所に特定建設業の要件をクリアできる技術者をそろえることが難しい、というポイントです。
建設業界は技術者不足が続いていますので、特定建設業の営業所技術者等になれる方をそう簡単に採用することはできません。例えば、東京本社の営業所技術者等は1級施工管理技士を確保できているが、北海道支店では、特定建設業の技術者を確保できず、一般建設業の要件をクリアする技術者しか採用できなかった、というようなケースです。
異なる営業所なら同一業種の「特定」と「一般」を使い分けることは可能?
では、東京本社は特定許可、北海道支店は一般許可、というふうに使い分けることはできるのでしょうか?
同一業種で使い分け(併用)はできない
これは、同一業種の使い分けは不可、違う業種であれば可能となります。
先ほどのケースでは、例えば東京本社で建築一式の特定許可を取得しているとすると、北海道支店でも(他の支店でも)建築一式の許可を取るなら特定許可でしかとることはできない、となります。もし、特定建設業の要件をクリアする営業所技術者等を用意できず、一般建設業の要件までしかクリアできない営業所技術者等しか確保できなかった場合は、その営業所では建築一式の許可を取ることはできない、となります。
「特定」で許可を取得できなかった営業所では「一般」の範囲内でも受注できません
北海道支店では建築一式の(特定建設業の)許可を取得できる状況が整わなかった、ということなので、北海道支店では建築一式の工事を受注することはできません。一般建設業の許可で対応可能な範囲の工事であっても、許可を取得できていない状態なので受注は不可、ということになります。
東京本社で建築一式の特定許可、北海道支店では土木一式の一般許可、というような業種が異なる場合は、取得が可能です。まとめると、同一業種では特定と一般の併用は不可、異なる業種であれば特定と一般が混在することは可能、となります。
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