経営事項審査は一般的には略して「経審(ケイシン)」と呼ばれます。既に毎年受審されている事業者さまにとっては当たり前のことばかりですが、建設業を始めてまだ間もない場合や、他業界から参入してきた事業者さまにとっては意外と知らないことも多いようです。
まずはなぜ経営事項審査(以降、「経審」と略します)を受けるのかを解説していきます。
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投稿日時:2022年11月05日
経営事項審査の点数改善について徹底解説。一朝一夕で加点を狙えるようなものはなく、地道な努力の積み重ねが効果を発揮します。売上を上げる、財務状況を改善する、技術者を増やす、環境を整備する、と簡単に言うとこの方法に集約されていきますが、経審の点数改善はなぜ難しいのか?を解説します。
経審は入札のため
建設業者が経審を受ける理由は、都道府県や市町村などの自治体が発注する公共工事に参加するためです。公共工事は入札によって施工業者が決められるため、シンプルに「入札」と呼ばれることもあります。
民間事業者同士で行われる受発注と都道府県・市町村が発注するものとでは大きく違う点があります。それは原資が税金であるかどうかという点です。原資が税金だと、いい加減な受発注では納税してくれた市民に説明することができません。きちんとした理由・根拠がないと後々「なぜあんな会社に発注したのか?」と大問題になってしまいます(公共工事は個人事業主でも参加可能です)。
- なぜその会社に発注したのか?→一番安かったから
- なぜその会社は施工できるのか?→建設業許可を持っているから
- なぜその会社が施工できるとわかるのか?→経審で経営状況が細かくわかるから
と見ていくとわかりやすいのではないでしょうか?(わかりやすくするためにザックリとした説明をしています)
経審で点数といったら「P点」のこと
経審を受けるとかなり詳細に会社の状況を明らかにすることになります。詳細に明らかにした経営状況を客観的指標で採点し、その点数を基に自治体はどの事業者に発注するかを決定してきます。この客観的指標は「P点」と言います。
経審の結果を記載している書類のなかにはいくつも数字が記載されていて、P点の他にもX1、X2、Y、Z、Wなどの点数がたくさん並んでいます。その中の総合的な点数という位置づけがP点で、経審を受けている建設業者の間で「経審、何点?」と聞かれたらこのうちのP点のことだと思ってください。
なぜ経審を受けるのか、のまとめ
まとめると、なぜ経審を受けるのか?は入札に参加するためという回答になります。そのほかにも経審は客観的指標で採点される点と、経審の点数は公表されている点から、対外的な情報公開や告知の意味合いを持っていると捉えている事業者さまもいらっしゃるようです。
入札に参加していない事業者さまで経審を受けているところはこの「当社はこういう会社でこれくらいの規模で技術者がこれくらいいますよ」という対外的な告知目的に利用していることが想定されます。
初めて取引する相手先でもこの経審の結果を見ればある程度の推測ができますのでこういった役割を期待しているのかもしれません。