経営事項審査は一般的には略して「経審(ケイシン)」と呼ばれます。既に毎年受審されている事業者さまにとっては当たり前のことばかりですが、建設業を始めてまだ間もない場合や、他業界から参入してきた事業者さまにとっては意外と知らないことも多いようです。
建設業許可をふくめ、自社管理が良いのか、行政書士に依頼した方がよいのか、この判断は意外と難しいものです。それでは経審をそもそも受けなくてもよい会社とはどのような事業者さまかを解説していきます。
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投稿日時:2024年10月18日
建設業許可をふくめ、自社管理が良いのか、行政書士に依頼した方がよいのか、この判断は意外と難しいものです。それでは経審を行政書士に依頼する必要がない会社とはどのような事業者さまかを解説。創設期や経審受審初年度などであれば行政書士に依頼して対応内容を予習しておくメリットは大きいと思われます。
建設業許可がいらない事業者は経審不要
まず1つめは、建設業許可が要らない事業者さまです。一見当たり前のようですが、建設業許可は「許可制」で、一定以上の規模の建設工事をする場合には建設業許可が必要ですが、この“一定以上の規模”以下の建設工事しか絶対にやらないという場合、そもそも建設業許可を取得する必要がありません。したがって経審を受けることができませんので経審を受けなくてもよいことになります。ただし、建設業許可は見積時点や契約時点では予想できない理由で請負金額が跳ね上がったりすることがあります。この時に“一定以上の規模”を超えないかどうかはその時にならないとわからないのでは建設業法違反をいつしてしまうか分からない状態といえますので、建設業許可は取っておくほうが無難かもしれません。
入札に参加しない事業者は経審不要
2つめに、入札に参加しない事業者さまです。経審を受けることの最大の目的は入札(公共工事)に参加するためですから、入札に参加しない場合は経審を受けなくてもよいといえます。ただし、初めて取引をする取引(予定)先が建設業者である場合に、公開されている経審の情報を事前調査の一環として利用しているところもあるようなので、その場合は経審を受けていないと「実態がどうか分からない」状態と判断される可能性があります。
民間の工事しか請け負わない事業者は経審不要
3つめは、民間同士の請負工事しかやらない会社も経審を受けなくてもよい会社です。経審は公共工事入札のために受けることがほとんどですから民間同士の請負工事の場合は、経審を受けていなくても受注可能です。ただし、工事を下請けに出す場合にその下請事業者が経審を受審していて結果通知を提出していることを求めているケースも見聞きしますのでそのような例外があることはりかいしておかれるのをおすすめいたします。
上記の複合的な例で経審不要なパターン
ほかにも、建設業許可を取得済みだけれども自社の基幹事業は他業に置いていて建設業許可は副次的に取得・維持している会社の場合も経審を受けなくてもよい可能性が高いです。
2つめの理由と3つめの理由の複合系のようなイメージが分かりやすいですが、例えば、自社の基幹産業が機械や電子機器などの販売をしているような事業者さまの場合、自社製品の搬入据付に際して建設業許可が必要になることがあり得ます。主目的は自社製品の販売ですから、他社製品を購入された会社の搬入据付だけを請け負ったりすることがありません。公共工事入札でもありませんし、民間同士の契約ですから経審は不要となります(契約相手から経審を求められることはあり得る)。
経審不要だが要注意のパターンもあります
このパターンの類似例として、機械や電子機器類を都道府県や市町村などの自治体が入札で受注者を募ることがあります。この案件が建設業許可+経審が必要な「工事」で出されるかどちらも不要な「物品・委託」で出されるかは各自治体の判断によります。
注意が必要なのは「物品・委託」で出されている案件の中には実態は建設工事を伴う案件が潜んでいることがある点です。自治体側の応募要項には許可+経審は求めていないが実態が建設工事を伴うもので、許可が必要な規模であった場合、少なくとも建設業許可を取得していないと建設業法違反となる可能性がありますので十分ご注意ください。判断に迷う場合がありましたら私たち行政書士にご相談くださいませ。実際にそういった内容のご相談を受けることは珍しくありません。