入札(「建設工事」の場合)に参加するには、建設業許可の取得、経営事項審査の受審、入札参加資格審査申請が必要になります。入札参加資格審査申請の際には希望する業種を選ぶ項目がありますが、どの業種を選べばよいか悩まれたことはないでしょうか。
入札参加資格審査申請の際、どの業種で入札に参加するのが良いのかを解説します。
自社が得意としている業種を選ぶのが定番
入札に参加する業種を検討する際の切り口はいくつかあります。まず一番合理性が高そうなのが、自社が得意な業種で参加することです。経審のP点が高く出ているでしょうし、入札参加資格審査申請書類でも実績として大きな金額を記載できるなど、評価が高くなりやすい要素が多く、発注側としても安心して発注がしやすい状況になっていることが多いと思われます。
自社の地理的な条件で選ぶ方法も有効
次に地理的な切り口で考える方法です。建設業者がそれぞれ持っている許可業種にはある程度の地域的なバラつきが存在します。例えばA市は建築一式が得意で売上10億円以上の建設業者が多いが隣のB市には建築一式が得意で売上が10億を超えるような建設業者はほとんどない、とか、逆にB市には土木一式が得意で売上10億円以上の建設業者が何社もあるがA市にはほとんどない、というようなイメージです。
建設業者の地理的な偏りを利用して業種を選ぶ
この地理的なバラつきを考慮して業種を選ぶ考え方です。先ほどの例でいうと、A市では建築一式の大規模工事は競争率が高いので建築一式ではなく土木一式を希望する、という感じです。もちろん、各市でどの業種の工事が多いかは毎年同じではないので機械的に競合他社の数だけで決められるようなものではありません。
今後伸ばしていきたい業種を選んでみる
自社の許可業種の中から今後伸ばしていきたい業種を選ぶのもよいでしょう。公共工事の受注実績は大きな実績となりますし、業界内でアピールもしやすくなります。ただし、経審のP点や施工実績などはまだ大きくないケースが多いでしょうからいきなり金額の大きな入札を落札できる可能性は高くないかもしれません。
建築や土木の一級施工管理技士がいるなどでたくさんの許可業種を保持できている建設業者さまなら、さきほどの地域的なバラつきを考慮して落札しやすそうな業種を選ぶことも可能でしょう。入札の案件は出される業種があらかじめ決まっているわけではないので、競合が多い業種を避けてライバルの少ない業種の方が落札しやすい可能性があります。
他にも自社の利益率が確保しやすい業種で選ぶという考え方もあります。入札案件は無制限に何件でも落札できるわけではありません。ところが工期や金額変更などの面ではシビアだったりしますから、きちんと利益を確保できる案件(業種)に絞っておこう、という発想です。経審でP点を上げすぎない方が良いケースがある、という記事を書きましたが、それと近い考え方かもしれません。自社が得意な業種は公共工事では利益を確保しにくい、というパターンでしょうか。
入札に参加する業種はどれを選べばよいかでお悩みですか?
行政書士影浦法務事務所では入札に参加する業種でお悩みの建設業者さまからのご相談を承っております。